TBSのバラエティ番組「櫻井・有吉THE夜会」で2024年1月18日に放送された「方言禁止記者会見」企画がSNSで賑やかせています。沖縄県出身の女優・二階堂ふみさんが沖縄弁の質問に対して、方言で返答せずに「標準語」話せるかという企画ですが、TBS広報は過去に別の俳優で同企画が好調だったこともあり、今回の企画を行ったとのこと。ただ,沖縄の歴史的背景について十分な検討が出来ていなかったため,今回の賑やかせている原因に繋がったとコメントしてます。
今までも主にバラエティ分野では「アド街ック天国」や「明石家さんまのご長寿グランプリ」のように方言や訛りを笑いにする企画は多々ありましたし、私自身もお腹を抱えて笑っていました。方言が出来た歴史的背景を知っておかないと、今回のように意図しないところで不快に感じる方もいらっしゃいますので、今回は方言の成り立ちやどんな方言があるのか、方言に対する印象について掘り下げていきたいと思います。
方言はどうしてできたのか?
方言の歴史
方言の歴史は【祖語(そご)】と呼ばれる先祖にあたる言葉が根源となっており、時代の流れとともに各地方へ方言という形で分かれていったと考えられています。
方言が生まれたきっかけ
方言は山や川などの地理的要因に加えて、江戸時代に藩という政治体制がとられたことにより、他地域と自由に交流ができなかったため、地方毎の方言が生まれたと言われています。地域や藩ごとに違った言葉を話しはじめ、独自の変化を遂げていったことが、方言が生まれる一要因ようです。また、人の流動が少ない時期がある地域では各地の方言が成熟する傾向にあるようです。
沖縄の方言に関わる歴史
今回話題になった沖縄の方言の歴史ですが、「沖縄こどもランドホームページ」には以下のように記載されています。
沖縄の言葉(しまくとぅば)は、もともとは本土の言葉と同じだったのですが、奈良(なら)時代のころにわかれたといわれています。沖縄の言葉(しまくとぅば)はそれから、小さな島の中で、どくじに発てんしてきました。
引用元:沖縄こともランドホームページより
沖縄の言葉(しまくとぅば)は古い時代の日本語をもとにしているものが多く、たとえば「いらっしゃいませ」の意味の「めんそーれ」は、「参(まえ)り候(そうら)え」が変化した言葉だといわれています。
また、沖縄の言葉(しまくとぅば)の中には、たとえば沖縄本島などで使う「あけづ」(=とんぼ)のように、本土ですでに使われなくなった言葉(死語)も多くのこっています。本土の言葉と沖縄の言葉(しまくとぅば)はかけはなれているようにもみえますが、よくくらべてみると、もともと同じことばだったことがわかります。
沖縄は周りが海で囲まれているので、独自の変化によって方言が生まれたというのも頷けます。
「方言」を使うメリットは何?
同じ地域内では、独自で変化を遂げた言葉を利用することで、短く簡潔に表現できたり意思疎通を図ることができるため、利点はたくさんあります。方言を使うことで、同地区の出身だと分かったり、親しみをが持ちやすいのではないでしょうか。地方の方からすると東京をはじめ標準語は、堅苦しい・冷たいという印象があるのに対して、郷土の言葉同志だけがわかるので、溶け込みやすいというのもメリットの一つです。
「方言」と「訛り」の違いを知ってますか?
ところで「方言」と「訛り」の違いを知ってますか?
「方言」は地方言語
方言 (ほうげん、英: accent, dialect)は、ある言語が地域によって別々な発達をし、音韻・文法・語彙などの上で相違のあるいくつかの言語圏に分かれた、と見なされたときの、それぞれの地域の言語体系のこと[3]。ある地域での(他の地域とは異なった面をもつ)言語体系のこと。地域方言とも言い、普通、「方言」は地域方言を指す。一方、同一地域内にあっても、社会階層や民族の違いなどによって言語体系が異なる場合は社会方言と言う
引用元:Wikipedia
つまり、方言は言葉の地域的な違いによって標準的に利用されている言葉とは異なる言い方を指してます。例えば、「捨てる(標準)」「なげる(東北)」や「自転車(標準)」「ケッタマシーン(近畿)」などが挙げられ、同じ意味でも会話が成り立たないことも出てきます。
「訛り」は相手が必要
一方で訛り(なまり)とは、同じ意味同じ言葉ではあるものの、その地域によって発音・強弱・抑揚などが異なることを指しており、お互いに別の地域出身者同士で話すと、双方で相手の言葉は訛っているとなります。例えば「おはよう」を考えてみると、東京だと「お→は→よ→う→」に対し関西だと「お→は→よ↑う→」となります。訛りは自分の地域が中心となっているため、東京の方からすると関西訛りになるし、関西の方からすると東京訛りとなるわけです。
彼女・彼氏に話してほしい方言ベスト3
好きな方言ランキングは、インターネットで調べるとたくさん出てきます。私調べではありますが,これらを総合して上位ベスト3をまとめてみました。
1位:博多弁 2位:京都弁 3位:標準語
博多弁は福岡県の方言で、女性が言うと柔らかいイメージが男性に好評のようです。語尾に「~と」と付くのが特徴で、好きな子から「なんしよーと?(何しているの?)」と言われると一気に距離が近くなる感じになります。
京都弁は舞妓さんが使う言葉として有名ですが、上品でゆったりとした雰囲気があってかわいいと言われています。関西弁と似ているのですが、京都弁は女性から受ける印象が「おしとやか」なイメージです。「かんにんね(ごめんね)」や「おおきに(ありがとう)」も、はんなりしたイメージが先行して柔らかい感じが良いですね。
補足:海外の方言・訛り
英語を共通言語として利用している国は約80ヶ国と言われています。これらの国はイギリスの植民地だったり、イギリスの入植者によって英語が普及されたことになります。地域も民族も違うので、長い年月をかけて独自の変化を遂げてきたことは容易に想像できますね。例としてアメリカ英語とイギリス英語を見てみましょう。
単語 | アメリカ英語 | イギリス英語 |
お菓子 | candy | sweets |
色 | color | colour |
映画 | movie | film |
エレベータ | elevator | lift |
フライドポテト | French fries | chips |
ポテトチップス | chips | potato chips |
同じ「chips」でもアメリカとイギリスで別のモノを指すのは面白いです。同音異義語は他にもたくさんあるようなので、気を付けて使う必要がありますね。
まとめ
今回は、バラエティ番組で取り上げた「方言」の企画でプチ炎上したことに伴ってお伝えしてみましたが、いかがでしたか?方言にはそれぞれの地域での成り立ちや背景があって、知らなかったこともあったのではないでしょうか?「方言」や「訛り」が気になるという方もいらっしゃいますが、私が思うには、使ってきた言葉には歴史があって、独自の文化で変化してきたことを考えると、それぞれの「方言」や「訛り」も尊重したくなりました。皆さんも自分が住んでいるところや相手の方言に興味を持って調べてみると面白いと思います。
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